
アウロノカラ・スチュアートグランティは、東アフリカのマラウィ湖にのみ生息する固有種のシクリッドで、「ピーコックシクリッド」の名で親しまれています。成熟したオスは全身がメタリックブルーに輝き、胸や腹部にオレンジ〜赤のグラデーションをまとう姿はまさに孔雀のよう。マラウィ湖のシクリッドの中でも屈指の美しさを誇り、世界中のアクアリストを魅了してきました。
湖内でも採集地によって体色が大きく異なり、「ンガラ」「チロエロ」「マレリ」「ウスィシャ」など産地名を冠した地域変異(ロケーションバリエーション)がコレクション性の高さを生んでいます。また本種を元に改良されたOBピーコックやドラゴンブラッドなどの養殖品種も広く流通しています。
岩場と砂地の境目に暮らし、砂の中に潜む小さな生き物を探して食べる習性を持つことから、頭部の側線が発達しているのが特徴です。マウスブルーダー(口内保育)の繁殖形態をとり、メスが卵と稚魚を口の中で守る姿を水槽内でも観察できます。弱アルカリ性の硬水を好み、他のマラウィ湖産シクリッドに比べると比較的温和な性格のため、アフリカンシクリッド入門種としても人気の高い一種です。
最も懸念が少ない
Least Concern(LC)
絶滅のおそれが低い状態
オス1匹とメス数匹のハーレム飼育が基本で、成魚は12〜15cmほどになるため90cm水槽(約160L)以上が必要です。複数のオスを入れたり、他のマラウィ湖産シクリッドと混泳させる場合は120cm以上の水槽を用意しましょう。底床はサンゴ砂やアラゴナイトサンドなど弱アルカリ性に保てるものを選び、岩組みで隠れ家を作りつつ、砂地をついばむ習性を活かせるよう前面には開けた砂地のスペースも確保してあげてください。アルカリ性で硬水の環境を再現するため、水槽内に流木やソイルを入れるのは避けましょう。
自然下では砂の中の小さな甲殻類や昆虫の幼虫を食べる肉食寄りの雑食性です。飼育下ではアフリカンシクリッド用の人工飼料を主食にし、沈下性の顆粒やペレットを選ぶと砂地で餌を探す本来の行動が見られます。冷凍ブラインシュリンプやミジンコ、少量の冷凍赤虫を週2〜3回与えると発色が良くなり、繁殖に向けた体力づくりにも効果的です。スピルリナ配合のフードを混ぜると色揚げに役立ちます。一方で脂肪分の多い餌や植物食性のムブナ向けフードのみに偏ると消化不良を起こしやすいので、バランスよく与え、1日1〜2回、2〜3分で食べ切れる量を目安にしてください。
マラウィ湖産シクリッドの中では比較的穏やかな性格で、同じ遊泳域に暮らすおとなしい種類のアウロノカラやコパディクロミス、プラキドクロミスなどの「ハップ(Haplochromine)」系と相性が良い魚です。一方で気性の荒いムブナ(岩場に暮らすシクリッド)やメラノクロミスとの混泳は、いじめられて発色が落ちたり餌が食べられなくなることがあるため避けた方が無難です。同種のオス同士は激しく縄張り争いをするので、1本の水槽にオスは1匹が基本です。また他のアウロノカラ属とは容易に交雑してしまうため、産地や種類を維持したい場合は1水槽1種を徹底しましょう。水質の好みが真逆になるため、南米産シクリッドやカラシンなどの弱酸性を好む魚との混泳は適しません。
水質はpH7.8〜8.6の弱アルカリ性・硬水を維持するのが最重要です。サンゴ砂やアフリカンシクリッド用の塩類(バッファー剤)を活用し、換水時にpHが急変しないよう注意しましょう。
食欲旺盛で水を汚しやすいため、ろ過能力の高い外部フィルターや上部フィルターを使い、週1回・1/3程度の換水を習慣にしましょう。硝酸塩の蓄積はマラウィシクリッド特有の消化器疾患(ブロート)の原因になります。
若魚の段階ではオスもメスと同じく地味な体色のため、確実にペアを組みたい場合は複数匹を購入して成長を待つのがおすすめです。発色したオスを1匹だけ残し、残りのオスは別水槽へ移すと争いを防げます。
メスは産卵後、卵と稚魚を3〜4週間ほど口の中で保護します。この間は餌を食べないため、稚魚を確保したい場合は隔離ケースや別水槽にそっと移してあげましょう。
岩組みは崩れないようしっかり固定し、ガラス面に直接岩を置く場合は下にマットを敷いて水槽の破損を防ぎましょう。砂を掘る習性があるため、岩は底面に接するように配置するのが安全です。

パロットファイヤー(blood-parrot)
Amphilophus citrinellus × Vieja melanurus

ファイヤーマウス(firemouth-cichlid)
Thorichthys meeki

ジャガーシクリッド(jaguar-cichlid)
Parachromis managuensis

サタノペルカ・ダエモン(satanoperca-daemon)
Satanoperca daemon

クレニキクラ・マクロフタルマ(crenicichla-macrophthalma)
Crenicichla macrophthalma

アイスポットシクリッド(eye-spot-cichlid)
Cichla ocellaris

レッドゲオファーガス(redstriped-eartheater)
Geophagus surinamensis

スレッドフィン・アカラ(threadfin-acara)
Acarichthys heckelii

ジュルパリ(demon-eartheater)
Satanoperca jurupari

セベラム(severum)
Heros efasciatus

フラワーホーン(flower-horn)
なし

グリーンテラー(green-terror)
Andinoacara rivulatus

オスカー(oscar)
Astronotus ocellatus

アピストグラマ・ボレリー(umbrella-cichlid)
Apistogramma borellii

エンゼルフィッシュ(angelfish)
Pterophyllum scalare

アルタムエンゼルフィッシュ(altum-angelfish)
Pterophyllum altum

アピストグラマ・ビタエニアータ(banded-dwarf-cichlid)
Apistogramma bitaeniata

アピストグラマ・アガシジィ(agassizis-dwarf-cichlid)
Apistogramma agassizii

アピストグラマ・カカトイデス(cockatoo-dwarf-cichlid)
Apistogramma cacatuoides

ラミレジィ(オランダ・ラミレジィ)(ram-cichlid)
Mikrogeophagus ramirezi

アピストグラマ・トリファスキアータ(three-striped-dwarf-cichlid)
Apistogramma trifasciata

ブルー・アカラ(blue-acara)
Andinoacara pulcher
最も懸念が少ない
Least Concern(LC)
絶滅のおそれが低い状態