
ニュータイガープレコは、ブラジル・パラ州を流れるアマゾン川中〜下流域、サンタレン周辺からタパジョス川下流にかけて分布する、ロリカリア科ペコルティア属の小型プレコです。種小名の「vermiculata」はラテン語で「虫食い状の模様」を意味します。その名の通り、淡い黄褐色の地に暗褐色の細い線がうねるように走る、迷路のような虫食い模様が最大の特徴です。
個体差が大きく、線が密に入る個体もあれば、斑点に近く崩れる個体もいて、コレクション性の高さも魅力のひとつです。成長しても12cm前後にとどまる小型種で、幼魚と成魚で模様の基本的な印象はあまり変わりません。
国内で見かける機会は多くなく、コアなプレコ愛好家に探し求められる種です。IUCN レッドリストでは、分布や個体数に関する情報が不足しているとして情報不足(DD)に分類されています。
情報不足
Data Deficient(DD)
情報不足(DD)は絶滅リスクの段階評価の対象外です。
評価するための情報が足りない状態
最大でも12cm前後の小型プレコのため、単独飼育なら45cm水槽から可能ですが、底面積を確保しやすく水質も安定しやすい60cm水槽を基準にすると安心です。複数飼育や他魚との混泳を考えるなら、60cmワイドや90cm水槽を選ぶと隠れ家を十分に配置できます。 レイアウトは流木と石を中心に組み、本種がすっぽり入れる細めの塩ビ管やプレコシェルターを個体数より多く設置してください。ペコルティア属は流木の下や岩の隙間に体を押し込んで休む習性が強く、落ち着ける隠れ家の有無が調子を大きく左右します。底床は目の細かい砂か、掃除しやすいベアタンクでも構いません。 水流はほどほどで十分ですが、溶存酸素は多めに保ってください。外部フィルターや上部フィルターでしっかりとろ過し、エアレーションを併用すると安定します。水温は24〜28℃、pH は6.0〜7.5程度の弱酸性〜中性を目安にします。プレコ類の中では排泄量が少ないほうですが、週1回1/3程度の水換えは欠かさず行いましょう。
ペコルティア属は、コケを主食とするイメージの強いプレコの中では動物質を好む雑食性です。野生下では流木や岩の表面に付着した微生物や小さな水生昆虫、デトリタスを食べており、飼育下でも藻類だけでは痩せてしまいます。 主食には沈下性のプレコ用タブレットや肉食魚用のペレットを用い、冷凍赤虫やブラインシュリンプ、刻んだイトメなどの動物質を週に数回与えてください。副食として茹でたズッキーニやキュウリ、ホウレンソウを石で沈めて与えると、植物質の補給にもなり餌への反応も良くなります。 夜行性が強く、昼間はシェルターから出てこないことが多いため、餌は消灯後に与えるのが基本です。他の魚に餌を横取りされやすいので、隠れ家の近くにタブレットを落とすなど、本種の口に確実に届く工夫をしましょう。
他種に対しては非常に温和で、小型〜中型の温和な魚となら幅広く混泳できます。中層〜上層を泳ぐカラシン類(テトラやハチェット)、小型のラスボラ、コリドラスなどの底棲魚とも問題なく同居でき、南米産の魚で揃えた水槽によく馴染みます。 一方で、同種や体型の似た小型プレコに対しては縄張り意識を示し、シェルターを巡って小競り合いをします。複数飼育する場合は隠れ家を個体数より多く用意し、互いの視線が遮られるようにレイアウトしてください。ペコルティア属やヒパンキストルス属など近縁の小型プレコとの同居も、同じ理由で十分なシェルターがあれば可能です。 避けたいのは、気性の荒い中〜大型シクリッドや、ヒレをかじる習性のある魚、そして餌を素早く奪ってしまう貪欲な底棲魚との組み合わせです。本種は餌を取るのが遅いため、餌の競争が激しい水槽では徐々に痩せていきます。
導入時はトリートメントを徹底してください。少量輸入の採集個体が多く、体内寄生虫を持ち込んでいることがあります。隔離水槽で1〜2週間様子を見て、糞の状態と腹部のふくらみを確認してから本水槽へ移しましょう。
健康状態の目安は腹部の張りと目のくぼみです。腹がへこみ、目が落ちくぼんで見える個体は栄養不足か不調のサインなので、早めに対処してください。
網で掬うとヒレの硬い棘が絡まって外れなくなります。移動の際は網ではなく、プラスチックの容器やシェルターごと掬い上げる方法を使ってください。
模様は個体ごとに異なるため、購入時には複数個体を見比べて好みの柄を選べるのが本種の楽しみ方です。ただし、模様が薄く色が白っぽく抜けている個体はストレス状態の可能性があるので避けましょう。