
リーフフィッシュ(Monocirrhus polyacanthus)は、南米アマゾン川流域やネグロ川、ペルー・コロンビアの支流に広く分布するポリセントルス科の待ち伏せ型捕食魚です。体は極端に側扁し、尖った吻の先端には小さなヒゲ(皮弁)が一本伸びており、まさに枯れ葉に葉柄がついたようなシルエットをしています。
体色は褐色〜黄褐色を基調に、黒や白のまだら模様が入り、個体や環境によって濃淡が変化します。水中では頭を下げてほとんど動かずに漂い、水底に沈んだ枯れ葉に完全に擬態します。近づいた小魚を大きく開く口で一瞬のうちに吸い込む捕食シーンは圧巻で、擬態と捕食の巧みさから「アマゾンの枯れ葉」として古くからアクアリストに愛されてきました。
分布域が広く個体数も安定しているため、IUCNレッドリストでは軽度懸念(LC)に分類されています。ただし飼育下では活き餌への依存が強く、水質にも敏感なことから、初心者には難しい種とされています。
最も懸念が少ない
Least Concern(LC)
絶滅のおそれが低い状態
最大でも10cm前後と小型で泳ぎ回ることも少ないため、単独なら45cm水槽から飼育できます。ペアや複数飼育、混泳を考える場合は60cm以上を用意してください。 枯れ葉に擬態する魚なので、レイアウトは薄暗く落ち着いた環境が理想です。底には細かい砂やソイルを敷き、流木・アマゾンフロッグビットなどの浮草・アヌビアスやアマゾンソードといった大きな葉の水草を配置して隠れ家を多くします。実際に乾燥させたマジックリーフ(ケテパン)やオークリーフを沈めると、水質を弱酸性に導きつつ本種の擬態を引き立てます。 水流は弱めに設定し、フィルターは外部式やスポンジフィルターなど、水を穏やかに保てるものを選びましょう。照明は暗めにするか、浮草で遮光すると落ち着いて餌を食べるようになります。
完全な魚食性で、自然下では自分の体の半分近い大きさの小魚まで丸呑みします。飼育下では人工飼料をほとんど受け付けず、基本は活き餌の給餌になります。メダカやアカヒレ、グッピーの幼魚などの小魚が主食となり、ミナミヌマエビや大きめの活きイトメも食べます。 餌の小魚は与える前に別水槽でトリートメントし、病気の持ち込みを防いでください。1日1回〜2日に1回、1匹あたり数匹を目安に与え、食べ残しが水槽内に居続けないよう調整します。冷凍餌に慣らす場合は、ピンセットで冷凍ワカサギやキビナゴの切り身を目の前で揺らして動きを見せると反応することがありますが、個体差が大きいので活き餌の確保を前提に飼育を始めましょう。
口に入る魚はすべて餌と見なすため、小型魚との混泳は不可能です。ネオンテトラやラスボラなどの小型カラシン・コイ科はもちろん、成魚のグッピーやプラティも捕食されます。 混泳相手を選ぶなら、リーフフィッシュより体高があり、かつ本種を攻撃しない温和な中型魚に限られます。エンゼルフィッシュやセベラムなど温和な中型シクリッド、大型のコリドラスやロリカリア系プレコは比較的相性が良いとされています。ただし動きの速い魚や餌を横取りする魚がいると、動きの遅い本種は餌を十分に食べられなくなるので注意が必要です。 同種同士は比較的穏やかで、隠れ家が十分あれば複数飼育も可能です。基本は単独もしくは同種のみでの飼育が、擬態や捕食行動をじっくり観察できる最もおすすめの飼い方です。
水質は弱酸性の軟水を好み、pH5.5〜6.8・24〜28℃を維持してください。硝酸塩の蓄積やpHの急変に弱いので、週1回1/3程度のこまめな換水を心がけましょう。
餌は活き餌が基本です。購入前に小魚を安定して入手・ストックできる環境(餌用の小型水槽など)を用意しておくと、給餌に困りません。
導入直後は環境に慣れず餌を食べないことがあります。照明を落とし、浮草や流木で隠れ家を作って数日間そっとしておくと、落ち着いて捕食を始めます。
皮膜のように薄い体とヒレは薬品に敏感です。病気の治療では規定量の半分程度から慎重に薬浴し、塩浴も低濃度から始めてください。
頭を下に向けて枯れ葉のように漂うのは正常な姿勢です。斜めに浮いていても病気と勘違いして慌てないようにしましょう。
産卵は水草の葉や流木の裏に行い、オスが卵と仔魚を守ります。繁殖を狙う場合はペアで落ち着ける単独水槽を用意し、仔魚にはブラインシュリンプなどの活き餌を与えます。