
ネオンドワーフ・レインボーはイリアンジャヤ北部のマンベラモ川原産のレインボーフィッシュです。レインボーフィッシュの中では最も入手しやすく、ポピュラーな位置づけの種といえるでしょう。
本種は90年代初頭にドイツで紹介され、その後日本に輸入されました。初輸入時は大変注目を集め、非常に高価だったといわれています。その後、東南アジアでブリードが確立したこともあり、あっという間に安価で入手しやすい熱帯魚として普及しました。
本種のような体形を持つグループは「メラノタエニア系」と呼ばれます。通常10cm前後になるものが多いグループですが、本種はその中でも小型の部類に入り、最大でも6cm程度で止まります。水槽飼育では、さらに一回り小さくなることが多いです。これが"ドワーフ"と呼ばれる理由なのでしょう。
本種の最大の特徴であるブルーグリーンの輝きは、あまり水質に左右されず発色を見せてくれます。その上、安価で丈夫で入手しやすく、温和で混泳にも向いています。水草水槽でも混泳水槽でも活躍する、まさに万能選手といえる魚です。初めて熱帯魚を飼育する方にも、大変おすすめです。
本種は外見である程度雌雄判別ができます。背ビレ・尾ビレ・尻ビレが赤く縁どられるものがオス、黄色く縁どられるものがメスとなります。60cm水槽で15~20匹ぐらいを目安に泳がせるとレイアウトが引き立ちます。
レインボーフィッシュに関しては、他のグループよりも硬度のある環境を好む傾向があります。pHはちょうど7.0の中性付近が最適です。どちらかといえば、弱酸性よりもむしろ弱アルカリ性に傾いていた方が調子が良い傾向があります。このため、本種が好む水質になりやすい点から、流木よりも岩組レイアウトでの適正が高いのです。
とはいえ、適応力の高い魚種のため、ソイルと流木を組み合わせたスタンダードな流木レイアウトにも適応できます。本種はレインボーフィッシュの中でも水質にはあまりこだわりが無い部類に入り、大抵の環境には適応できます。弱酸性の軟水環境でも特に問題ありません。
- 群泳性なので最低5匹以上で飼育すると美しい群泳が楽しめる(60cm水槽で15-20匹が理想)
- 中性付近(pH7.0前後)の水質を好むため、岩組レイアウトとの相性が良い
- ソイルと流木を組み合わせた流木レイアウトにも適応可能
- 水質にあまりこだわりがなく、弱酸性の軟水環境でも飼育可能
- やや新しい水を好む傾向があるため、定期的な水換えが重要
- 泳ぎが速く活発なため、ある程度の遊泳スペースが必要
- 泳ぐ力が強いため、あまり狭い水槽には向かない(最低45cm、できれば60cm以上)
- ヒレをなんとなく少しカジってしまう悪癖がある(完全にボロボロにするほどではない)
- 小さい魚や美しいヒレを持つ魚との混泳は注意が必要
- 繁殖後の稚魚育成が難しく、インフゾリア等の初期飼料の準備が必要
水槽サイズ
30cm水槽から飼育可能、群泳のため45cm水槽以上推奨(60cm水槽で15-20匹が理想)
給餌
1日2-3回、選り好みせず何でも食べます。小粒のフレークフードや顆粒フードを少量ずつ
社会性
群泳性(5匹以上推奨、複数匹で美しい群泳を見せる)
混泳
非常に温和で混泳向き。グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラなど人気の小型熱帯魚と相性抜群。ヒレをかじる種(エンペラー・テトラ等)との混泳も隠れ家があれば可能
繁殖
産卵までは比較的容易。水草の繁茂したレイアウト水槽で単独飼育していると水草などの基質に粘着卵を産む。ウィローモスをよく茂らせておくと良い。稚魚の育成が難しく、インフゾリア等の初期飼料が必要