
トランスルーセントグラスキャットフィッシュ
Kryptopterus vitreolus
初心者向けナマズ
トランスルーセントグラスキャットフィッシュは、透明な体が美しいナマズの仲間です。体長約8cmの小型のナマズで、目を惹く透明な体と長いヒゲが特徴です。群泳する性質があり、中層を群れで泳ぐ姿は観賑性が高く、中型水槽の見どころとしても採用されます。
東南アジア原産のナマズの仲間で、プリステラやグラステトラなど透明感のある魚種は多いですが、トランスルーセントグラスキャットはクリアな部分が幅広く、特に透明度が高い魚です。なぜこんなにスケスケなのかというと、内臓類を前方に寄せることで、外敵から姿を隠しやすい透明な体を手に入れるためと言われています。
体調が悪化すると体色が白く濁る、背びれに赤みがでることがあるなど、コンディションで体色が変化するという特殊な性質があります。ちなみに、背びれは背中に1本の毛髪のように生えていますが、目を凝らさないと見えません。
「変わった魚だし飼育が難しそう」と思われるかもしれませんが、餌付けも容易で飼育しやすい熱帯魚です。ただし、ストレスを感じやすいため、単独飼育ではなく3-5匹以上の群れで飼育する必要があります。そのため、繁殖用水槽は45cm以上が推奨されます。
飼育のコツ
- 群泳性なので、3-5匹以上で飼育する必要がある(単独飼育はストレス)
- デリケートに見えるが、群れで飼育すれば適応力は強い
- 水草との相性が良く、透明な体でユニークな水景が作れる
- ミクロソリウムなどの背の高い水草があると、隠れて安心できる
- 注意深く観察すると、健康で元気な個体は虹色のような光沢が見えることがある
- 水流は強くない方が良く、穏やかな流れが群れを作るのに適している
- 外部フィルターまたは上部フィルターの利用を推奨
注意事項
- 群れで飼育しないとストレスを感じるため、3-5匹以上で飼育する必要がある
- 肉食性のため、小さなエビや稚魚を捕食する可能性がある
- 温和な性格だが、単独飼育には向かない
- 夜行性のため、導入直後は暗い場所に隠れがちになる
- 体調が悪化すると、体色が白く濁ったり、背びれに赤みが出ることがある
- 導入時は水質を慎重に合わせ、初期は衰弱しやすいので注意が必要
- 環境変化によるストレスで、白点病などの病気にかかりやすい
基本データ
体長約8cm
水温20-27°C
pH6.0-7.0(弱酸性~中性)
硬度軟水
寿命3-5年
原産地東南アジア(タイ、マレーシア)
飼育環境
水槽サイズ
45cm水槽以上(群泳のため60cm水槽推奨)
給餌
1日1-2回、フレークフード、沈下性フード、活餌(アカムシ、ブラインシュリンプ)を少量ずつ。夜行性のため、暗くなってからの給餌が良い。
社会性
群泳性(3-5匹以上推奨、単独飼育はストレスを感じる。群れで落ち着く)
混泳
温和な性格で、混泳に向いている。水草との相性も良い。肉食性であり、小さなエビや稚魚を捕食する可能性がある。食べられない体長の魚との混泳が適している。
繁殖
繁殖は難しく、自然繁殖は非常に稀。