シルバーアロワナ
シルバーアロワナ
シルバーアロワナ
Osteoglossum bicirrhosum
上級者向け古代魚

シルバーアロワナは南米アマゾン川が原産のアロワナ科では最大クラスの古代魚です。1億数千年前の化石から発見されている古代魚の一種で、非常に丈夫なのも大きな特徴となっています。全身は名前のとおり銀色のウロコに覆われ、尻ビレと背ビレが体長の半分ほどを占める非常に細長い体型をしています。

野生下では最大で1.2メートルを超す個体もおり、水槽飼育下でも1メートル近くに成長するアロワナ科では最大クラスの魚です。平均だとだいたい70~80㎝くらいにまで成長します。成長速度は早く、稚魚で購入しても半年で40センチを超え、1年で70センチを超えるほどです。3年目でようやく成長が止まりますが、水槽飼育下でも90~100センチにはなっているでしょう。

体が非常に柔らかいので、普通の魚であれば水槽の縦幅で成長が止まるところ、本種は水槽の横幅の8割くらいの大きさにまで成長します。つまり60㎝水槽であれば50㎝、90㎝水槽であれば70㎝くらいにまで成長してしまいます。そのため盆栽飼育(無理やり小さい水槽で飼育すること)はできません。狭い環境で長期間飼育するとエラめくれになったり、背中が曲がったり、そこでじっとして動かなくなったりします。

よって最低でも180×90×60㎝クラスの水槽が必要となり、水を入れるとほぼ1tになるので、置く場所などはよく考えないといけません。床の強度をしっかりと確保し、専用の台などに置くようにしましょう。

価格は小さいサイズで1,500~2,000円程度、20センチを超えるサイズでも5,000円程度と、比較的リーズナブルな観賞魚です。アロワナの仲間の中では非常に流通量も多いポピュラーな種で、観賞魚ショップなどで簡単に入手できます。

現地では小魚、水生昆虫、エビなどの甲殻類から、落ちてきたナッツや果物などの植物質を含むものも食べたりしています。長期飼育する上でコスト面も考えると人工飼料に餌付けるのは賢い選択だといえます。小さい段階であればそこまで苦労はしないかと思います。

飼育のコツ
  • 水面近くを泳ぐため水槽の高さも重要
  • 飛び出し防止のため必ず蓋を設置(ジャンプして蓋を弾き飛ばすこともあるため重しを乗せる)
  • 上部フィルターまたはオーバーフローシステムを採用
  • 大型のエアストーンなどで高い溶存酸素量をキープ
  • ベアタンク(底砂なし)で飼育する人が多い(目ダレ防止のため底面が真っ黒の水槽を使用)
  • 人工飼料に餌付けることで長期飼育のコストを抑えられる
注意事項
  • 最大70-100cmになる超大型種(現地では120cm超)
  • 専用の大型水槽設備が必要(180cm以上、水量約1トン、非常に高額)
  • 床の強度確保が必須(場合によっては床の補強工事が必要)
  • 飛び出し事故が多いため蓋は必須(ジャンプ力が強い)
  • 目垂れ(ほぼ100%発症、対処法なし)、エラめくれ(水質悪化・水槽が小さすぎる)、背曲がり(栄養の偏り・狭すぎる環境)、顎ずれ(水槽壁面への衝突・栄養の偏り)に注意
  • 古代魚は魚病薬を使用できないため、白点病等は水温上昇・塩浴・水換えで自然治癒を狙う
  • 寿命が10-15年(最大30年以上)と非常に長い
  • 成長速度が異様に早く、半年で40cm、1年で70cmに成長
基本データ
体長70-100cm(現地では120cm超)
水温24-28°C(適応範囲20-30°C)
pH6.0-7.0(中性付近)
硬度軟水~中硬水
寿命10-15年(最大30年以上)
原産地南米(アマゾン川流域、ペルー、ブラジル、南米ギアナ)
飼育環境

水槽サイズ

最低180cm水槽(180×90×60cm以上)、水量約1トン。床の補強工事が必要な場合もある

給餌

1日1-2回、人工飼料(カーニバル等)、生餌(小赤、メダカ、カエル)をバランスよく。コオロギや鶏肉は消化不良の原因になるため避ける

社会性

基本的に単独飼育(同種同士は激しく争う)

混泳

比較的温和で、同サイズ以上の大型魚との混泳可能(ポリプテルス、ダトニオ、カラープロキロダス、メガロドラス等)

繁殖

家庭での繁殖は困難(マウスブルーダー)